相続放棄の無料相談窓口、弁護士が対応、2往復無料

家族や親族が元気なうちは、なかなか相続について考えないものです。ましてや遺産の有無や多寡などはほとんど把握することができず、「なんとなく」雰囲気で予想するしかないというのが実情でしょう。

 

いざ家族が亡くなって相続手続きが始まった際、把握していなかった隠れ借金が発覚したり相続人どうしの争いに発展して、相続するのをやめたいと考える場面も出てきます。そんなときは相続放棄の出番です。

 

この記事では、相続放棄をどのように・親族のどこまで実行するのが適切か説明していきます。最後まで読めば、相続放棄について理解が深まること間違いなしです。

まずは基本から 相続のルールとは

相続をすることはすべての権利や義務を引き継ぐことです。

相続放棄を説明する前に、まず相続とは何か、基本ルールを抑えておきましょう。相続とは亡くなった方のすべての権利や義務を相続人に引き継ぐことをいいます。

 

マイナスの財産も相続される

一般的に、相続は亡くなった家族・親族の財産を承継するというイメージがあります。しかし、実際のところ相続により承継されるのはプラスの財産に限られません。

 

相続の対象は「すべての権利や義務」であるため、債務のようなマイナスの財産や連帯保証の契約なども相続財産として承継されてしまうのです。その結果、プラスの財産の総額よりもマイナスの財産の総額の方が大きくなってしまい、相続をすることで損をするという事態が発生します。

 

相続放棄という手段がある

そこで考えられる有効な手段が「相続放棄」です。相続放棄とはある一定の手続きを踏むことで、初めから相続人でなかったとみなされるというものです。

 

相続放棄をした人は初めから相続人でなかったものとして扱われるため、被相続人の債務をまったく相続しなくて済むという仕組みです。

 

相続放棄が必要なのはどの相続人まで?

相続放棄はどこまで行えばいいか。

もっとも、相続放棄をしたからといって被相続人の債務が消えてなくなるというわけではありません。場合によっては相続放棄をした人以外の親族が借金などの債務を負うことになってしまうパターンも存在します。

 

相続におけるマイナスの財産とは、ババ抜きのババのようなものと考えるとわかりやすいでしょう。相続人の誰かが相続から降りると、ババのカードが他の相続人のもとに移動する仕組みになっているのです。それでは、相続放棄はどの親族まですればいいのでしょうか。

 

相続放棄をすることが必要な親族の範囲、相続放棄の手順、相続人の調査方法について徹底解説します。

 

 

相続放棄で債務が親族に移動する?

相続放棄は相続人間の債務の押し付けあいになる場合も

マイナスの財産(債務)を相続しないために、相続放棄という方法があることは理解していただけたのではないかと思います。それでは相続放棄によって他の親族が債務を負うことになってしまうことがあるとは、どういうことでしょうか。

 

相続放棄により相続権が移る

相続放棄をするとその相続人は、はじめから相続人でなかったものとみなされると解説しました。その場合、その相続人の次の順位の親族(推定相続人)が新たに相続人に繰り上がることになります。

 

つまり、相続権が別の親族に移るのです。

 

法定相続人は債務を相続する可能性がある

法定相続人は被相続人が亡くなった際、相続人になる可能性があります。したがって一人の相続人が相続放棄をしたとしても、新たに相続人に繰り上がった家族や親族がマイナスの遺産(債務)を承継することになってしまうのです。

 

 

 

相続人の範囲と順位を理解しよう

相続人の範囲と相続順位を理解しよう

被相続人の債務をだれにも相続させないようにするためにはどうすればいいでしょうか。そのためにはまず「(A)相続人の範囲」と「(B)相続の順位」を確認する必要があります。

 

(A)相続人の範囲

亡くなった被相続人の親族のうち、相続人になる可能性があるのは誰でしょうか。以下の項目でチェックしてみましょう。

 

法定相続人

相続人になる可能性のある人は法律により定められています。具体的には、

  1. 被相続人(亡くなった人)の子
  2. 被相続人の直系尊属
  3. 被相続人の兄弟姉妹
  4. 被相続人の配偶者

以上の4つの属性の人が相続人になる可能性がある人と定められています。1~4の親族を法定相続人といいます。配偶者とは夫や妻を、直系尊属とは被相続人の父母や祖父母などをいいます。

非嫡出子

法定相続人になる被相続人の子には、嫡出子のみならず、非嫡出子も含まれます。「嫡出子(ちゃくしゅつし)」とは、婚姻関係にある男女の間に生まれた子をいいます。これに対し「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。したがって、たとえば父親と内縁の妻との間に生まれた子も父親の法定相続人になります。

 

養子(普通養子・特別養子)

被相続人の養子も法定相続人になります。生物学上の血縁関係がなくとも法定相続人になる場合があるということです。もっとも、養子には”事実上の養子”として世話をしている者などは含まれません。養子といえるのは法律上の養子だけ、つまり戸籍法の定めるところにより養子縁組の届出がなされた者に限られます。

 

法律上の養子であれば、いわゆる普通養子、特別養子のいずれであっても、養親の法定相続人になります。普通養子の場合は実の両親との間でも親子関係が続いているため、実の父母の法定相続人にもなります。これに対して特別養子の場合は特別養子縁組により実方との親族関係が終了するため、実の父母の法定相続人ではありません。

 

胎児

ある人が亡くなった場合に、その人の妻のお腹にいる胎児は出生後に被相続人の子として法定相続人として扱われるのでしょうか?法律では、相続に関しては胎児はすでに生まれたものとみなすと定められています。つまり父親の死亡時点で胎児であっても、出生後に法定相続人になるということです。ただし死産であった場合にはこのルールは適用されず、胎児は法定相続人になりません。

 

腹違いの兄弟姉妹

いわゆる腹違いの兄弟・姉妹(これを半血といいます)であっても、「兄弟姉妹」として法定相続人になります。たとえばAさんの両親が父B男さんと母C子さんである場合、父B男さんとD子さんとの間に生まれたEさんもAさんの兄弟姉妹にあたりAさんの遺産の相続権をもつ可能性があります。

 

被相続人の父母の養子

また、被相続人の父母の養子も父母と親子関係にあるので、被相続人の法定相続人になります。たとえば、Aさんの父B男さんが、Cさんと養子縁組をした場合、CさんはAさんの兄弟姉妹にあたり、Aさんの遺産の相続権を有する可能性があります。

 

注意:内縁の妻や夫は相続人でない

婚姻届を届け出ていない事実婚関係にある夫婦(内縁の夫や妻)は法定相続人になりません。「配偶者」といえるためには、法律婚関係にある必要があります。戸籍法上の定めるところによる届出、婚姻届の届出を行った夫婦である必要があるのです。

 

たとえばAさんが妻B子さんと長年のあいだ別居状態にあり、その間C子さんと共同生活を送っているという事例では、C子さんは婚姻届を届け出ていない限りAさんの遺産を相続することはできません。なお法律上の法律婚関係にある者は、さらにもうひとりの妻と婚姻すること(重婚)はできないので、C子さんが婚姻届を適法に届け出るためには、AさんとB子さんとの離婚が成立する必要があります。

 

(B)相続の順位

相続する権利には順位がある

このような法定相続人の間では、法律により、相続の順位が定められています。では、相続の順位はどのように決まっているのでしょうか。

 

相続の順位の2つの種類

相続の順位は、法律により定められています。相続の順位に関して、法定相続人は、次のように大きく二つに分けることができます。

 

  • 被相続人の配偶者以外の者(子、直系尊属、兄弟姉妹)
  • 被相続人の配偶者

 

被相続人の配偶者以外の者の相続の順位

まず、被相続人の配偶者以外の者については、次のように相続の順位が定められています。

①第1順位:被相続人の子

②第2順位:被相続人の直系尊属(両親や祖父母など)

③第3順位:被相続人の兄弟姉妹

 

順位の高い者だけが相続する

相続の順位とは相続人になることのできる優先順位です。異なる順位の法定相続人がいる場合、最も順位の高い者のみが相続人になります。たとえば被相続人に子と直系尊属のみがいる場合、順位の高い子のみが相続人になります。被相続人に直系尊属と兄弟姉妹のみがいる場合、順位の高い直系尊属のみが相続人になります。子と直系尊属と兄弟姉妹がいる場合、最も順位の高い子のみが相続人になります。

 

同順位の相続人がいる場合

同じ順位の法定相続人が複数いる場合、これらの者の間で順位の優越はありません。したがって、同一順位の者全員が、共に相続人となります。たとえば被相続人の子が2人いる場合、いずれも相続人になります。なお、このように相続人が複数いる場合を共同相続といいます。

 

(※注意点)直系尊属の場合は亡くなった人により血縁が近い者のみが相続人となります。たとえば被相続人に子がおらず、父母と祖父母がいる場合、父母が相続人となり、祖父母は相続人になりません。

 

被相続人の配偶者

これに対して被相続人の配偶者、つまり亡くなった方の夫や妻は、他の法定相続人の有無にかかわらず”常に”相続人になります。他の法定相続人がいる場合は共に相続人になります。たとえば被相続人に配偶者と子がいた場合、配偶者と子のいずれも相続人になります。被相続人に配偶者と兄弟姉妹のみがいた場合には、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。

 

相続人と相続順位のまとめ

相続人の範囲は法律で定められており、相続人どうしの順位も法律により定められています。したがって被相続人の債務をどの親族にも相続させないようにするためには、その被相続人の法定相続人全員が、相続の順位の順序に従って、相続放棄をすることが必要になります。

 

相続放棄と代襲相続

相続放棄では代襲相続が発生しない

相続放棄をしても代襲相続は生じません。これは重要なポイントです。代襲相続が発生すると定められているのは、

  • 被相続人の子が相続開始以前に死亡すること
  • 相続人の欠格事由に該当すること
  • 推定相続人の廃除により相続権を喪失したこと

以上の3つに限定されており、相続の放棄はこれらに含まれません。

 

したがって被相続人の子が相続放棄をしたからといって、その子の子、つまり被相続人の孫が債務を相続してしまうということはありません。たとえば父親が借金を残してなくなったためにあなたが相続放棄をしたからといって、あなたの子どもに債務が相続されるようなことはありません。

 

代襲相続について詳しく知りたい方は、【完全版】代襲相続のすべて-相続権を持つ親が亡くなったら要注意- を参考にして下さい。

 

相続放棄して相続人がいなくなったら

相続人が全員、相続放棄をしたら

法定相続人全員が相続放棄をした場合、相続人が不在となります。この場合、被相続人の(債務などの)財産は相続財産法人として相続財産管理人により管理・清算されることになり、債権者は残余財産から弁済を受けることになります。つまり、被相続人の親族が債務を弁済する必要がなくなるのです。

 

債権者にとっては泣き寝入りするしかありませんが、法律は法律ですので、相続放棄をした(あるいはこれからする)みなさんが特に後ろめたく思う必要はありません。くれぐれも借金の一部を支払ってしまうなどの、相続放棄ができなくなる行為をしてしまわないように注意しましょう。詳しくは以下の記事を参考にして下さい。相続放棄で親の借金を相続しなくていい?-やさしい相続マニュアル

 

相続放棄の15のパターン

15の相続放棄パターン

ここでは具体的に、法定相続人の全員が相続放棄をする場合として考えられる親族の構成を15パターンをみてみましょう。

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相続放棄のパターン1 法定相続人が配偶者のみ

被相続人の法定相続人が配偶者のみの場合、配偶者の他に相続人はいないので、この配偶者が相続放棄をすれば誰も債務を相続することはありません。被相続人の配偶者のみが相続放棄をすればよいということになります。

 

相続放棄のパターン2 法定相続人が配偶者、子

被相続人の法定相続人が配偶者と子のみの場合、この配偶者と子がそれぞれ相続放棄をすれば、他に法定相続人はいないので、誰も債務を相続することはありません。なお、子が複数いる場合には全員が相続放棄をする必要があります。

相続放棄のパターン3 法定相続人が配偶者、子、直系尊属

では、被相続人の法定相続人が配偶者と子と直系尊属であった場合はどうでしょうか。この場合、

1. まず配偶者と子がそれぞれ相続放棄をする。

2. そうすると、第1順位の法定相続人である子が初めから相続人でなかったとみなされるため、第2順位の法定相続人である直系尊属が相続人に繰り上がることになります。よって、直系尊属がさらに相続放棄をすることで、誰も被相続人の債務を相続しなくて済むことになります。なお、子や直系尊属が複数いる場合には、全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン4 法定相続人が配偶者、子、兄弟姉妹

続いて、被相続人の法定相続人が、配偶者と子と兄弟姉妹であった場合についてみていきます。

1. この場合も、まず配偶者と子がそれぞれ相続放棄をする。

2. そうすると、第1順位の法定相続人である子の相続放棄により、第3順位の法定相続人である被相続人の兄弟姉妹が相続人に繰り上がることになります。さらに兄弟姉妹が相続放棄をすれば債務を承継する相続人はいなくなります。なお被相続人の子、兄弟姉妹が複数いる場合、全員が相続放棄をする必要があります。

相続放棄のパターン5 法定相続人が配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹

被相続人の法定相続人が、配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹の場合、次のような手順で相続放棄をすることになります。

1. まず配偶者と子がそれぞれ相続放棄をします。

2. 第1順位の「子」から、第2順位の法定相続人である直系尊属に相続権が移るため、直系尊属が相続放棄をする。

3. 直系尊属の相続放棄により、直系尊属の次順位の法定相続人である兄弟姉妹に相続権が移ることになり、兄弟姉妹が相続放棄をすることになります。

 

これですべての法定相続人が相続放棄をすることができ、被相続人の債務を相続する者がいなくなります。被相続人の子、直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合には、全員が相続放棄をすることが必要です。

 

相続放棄のパターン6 法定相続人が配偶者、直系尊属

被相続人の法定相続人が配偶者と直系尊属のみである場合、配偶者、直系尊属がそれぞれ相続放棄をすることで、債務の相続人はいなくなります。なお、被相続人の直系尊属が複数人いる場合には、全員が相続放棄をしなければなりません。

相続放棄のパターン7 法定相続人が配偶者、直系尊属、兄弟姉妹である場合

法定相続人が配偶者と直系尊属と兄弟姉妹である場合、次のような手順で相続放棄をすることになります。

1. まず配偶者と直系尊属がそれぞれ相続放棄をする。

2. 第2順位の直系尊属から、第3順位の法定相続人である兄弟姉妹に相続権が移ることになります。そこで、兄弟姉妹が相続放棄をすれば、債務を相続する者がいなくなります。なお、被相続人の直系尊属と兄弟姉妹が複数いる場合には、全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン8 法定相続人が配偶者、兄弟姉妹である場合

法定相続人が配偶者と兄弟姉妹のみの場合、被相続人の配偶者と兄弟姉妹がそれぞれ相続放棄をすることで、債務を相続する者がいなくなります。なお、被相続人の兄弟姉妹が複数いる場合には、全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン9 法定相続人が子のみである場合

法定相続人が子のみである場合、被相続人の子が相続放棄をすることで債務を相続する者がいなくなります。被相続人の子が複数いる場合、全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン10 法定相続人が子、直系尊属である場合

法定相続人が子と直系尊属である場合、次の手順で相続放棄をすることになります。

1. まず「子」が相続放棄をします。これにより、第1順位の法定相続人である「子」から第2順位の法定相続人である直系尊属に相続権が移ります。

2. 次に直系尊属が相続放棄をします。なお被相続人の「子」と直系尊属が複数いる場合には、全員の相続放棄が必要です。

 

相続放棄のパターン11 法定相続人が子、直系尊属、兄弟姉妹である場合

法定相続人が子と直系尊属と兄弟姉妹である場合、次の手順で相続放棄をすることになります。

1. まず子が相続放棄をします。これで相続権は第1順位の相続人である子から第2順位の相続人である直系尊属に移ります。

2. 次に直系尊属が相続放棄をすることになります。直系尊属の相続放棄により、第2順位の法定相続人である直系尊属から第3順位の法定相続人である兄弟姉妹に相続権が移転することになります。

3. さらに兄弟姉妹が相続放棄をすれば、債務を相続する相続人がいなくなります。なお被相続人の子、直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合、これら全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン12 法定相続人が子、兄弟姉妹である場合

法定相続人が子と兄弟姉妹のみである場合、次の手順で相続放棄をすることになります。

1. まず子が相続放棄をします。これで第1順位の法定相続人である子から、第2順位の法定相続人である兄弟姉妹に相続権が移転します。

2. 次に兄弟姉妹が相続放棄をします。なお被相続人の子と兄弟姉妹が複数いる場合には、全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン13 法定相続人が直系尊属である場合

法定相続人が直系尊属のみである場合、直系尊属が相続放棄をすることで債務を相続する者はいなくなります。なお、被相続人の直系尊属が複数いる場合にはその全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄のパターン14 法定相続人が直系尊属、兄弟姉妹である場合

法定相続人が直系尊属と兄弟姉妹である場合、次のような手順で相続放棄をすることになります。

1. まず直系尊属が相続放棄をします。これで第2順位の法定相続人である直系尊属から第3順位の法定相続人である兄弟姉妹相続権が移ります。

2. 次に兄弟姉妹が相続放棄をします。これにより、債務を相続する者はいなくなります。なお、被相続人の直系尊属と兄弟姉妹が複数いる場合、全員が相続放棄をしなければなりません。

 

相続放棄のパターン15 法定相続人が兄弟姉妹である場合

法定相続人が兄弟姉妹のみである場合、兄弟姉妹が相続放棄をすることによって債務を相続する者はいなくなります。なお、被相続人の兄弟姉妹が複数いる場合には、全員が相続放棄をする必要があります。

 

相続放棄する親族の構成パターン まとめ

このように被相続人にどのような親族がいるかによって、どこまで相続放棄が必要か、どのような順序で相続放棄が必要かのパターンが異なってきます。相続放棄をするにあたっては、被相続人にどのような親族がいるのかを調べておくことが必要になります。

 

なお押さえておきたいポイントとして、あなたが相続放棄を検討する際、他の親族の許可や合意は必要ありません。もっとも、亡くなった人の借金が次の順位の相続人に移動することを考慮すると、あなたが相続放棄をする(した)ことを教えてあげたほうが親切ですし、無用な争いにならずに済むのは間違いありません。

 

何らかの事情であなたに相続放棄をされては困るという親族がいた場合、あなたには借金から身を守るために自分の意志で相続を放棄する権利があるということです。典型的な例として、亡くなったあなたの父親が兄弟から多額の借金をしたり、逆に連帯保証人になってあげていた場合、親族だからといってあなたがその相続を強制される法律はありません。プラスの財産とそれらマイナスの財産(債務や契約)の正味を計算し、利益になるかどうか冷静に判断すればよいのです。

 

相続放棄のため相続人の有無を調査しよう

相続人の有無を調査しよう

被相続人の債務を親族に相続させないためには、まず、被相続人の法定相続人が誰なのかを調査しなければなりません。そこで最後に相続人を調査する方法について解説します。なくなった方に、あなたの知らない兄弟や親子関係、公表されていない子どもがいることも考えられます。

 

戸籍謄本を取得する

相続人を調査するためには、被相続人の戸籍を調べることになります。戸籍には、被相続人の親子関係、婚姻関係などに関する事項が記載されているからです。

 

戸籍には「戸籍謄本」と「戸籍抄本」との2種類があります。このうち戸籍抄本には家族関係が記載されていないので、相続人の調査に利用することができません。他方、戸籍謄本には被相続人の家族関係が記載されているため相続人の調査には戸籍謄本を利用することになります。

 

原戸籍をさかのぼる

相続人の調査は、被相続人の戸籍謄本を1つ取得すれば終わりというわけではありません。

 

原戸籍をさかのぼる必要性

被相続人の最新の戸籍を取得したとしても、最新の戸籍に記載されていない被相続人の親族がいる可能性があります。最新の戸籍には、婚姻などで親の戸籍から除かれた子についての記載などは書き写されないのです。

 

そこで、被相続人のすべての相続人を調査するためには、最新の戸籍より前の戸籍をさかのぼっていく必要があります。このような変更前の戸籍を、原戸籍といいます。

 

原戸籍の調査

原戸籍をさかのぼるためには、新しい戸籍の記載を確認することになります。たとえば新しい戸籍に「改製」の記載がある場合、その戸籍が法改正により書き換えられたことがわかります。そこで、法改正により書き換えられる前の戸籍、すなわち改製原戸籍を取得することになります。

 

新しい戸籍に「婚姻」の記載がある場合、被相続人の婚姻により戸籍が変更されたことがわかります。そして、婚姻の前の戸籍は父母の戸籍なので、被相続人の父母が筆頭となっている戸籍を取得しなければなりません。このように戸籍をさかのぼっていき、最終的には被相続人の出生の戸籍までたどり着く必要があります。

 

除籍簿

このように原戸籍をさかのぼっていくと、全員が除籍されてしまった戸籍にたどりつく場合があります。この場合、除斥謄本を取得することになります。除斥謄本は、管轄の市町村から取得することができます。

 

相続人の調査 まとめ

このようして、相続人の調査のためには、被相続人の出生までの戸籍をさかのぼる必要があります。これを行うには多大な労力を要するうえ、古い戸籍は必要事項を読み取ることが困難である場合もあります。したがって相続人の調査は、調査に精通した弁護士などの専門家に依頼した方が適切な場合もあるでしょう。

 

相続放棄は親族のどこまですべきか?まとめ

相続放棄をするさいに親族のどこまで手続きすれば良い?まとめ

相続放棄による影響が他の相続人に対してどのように波及するか、お分かりいただけたでしょうか。相続放棄には手続きをする期間の制限もあるため、亡くなった方の身辺整理に追われているあいだに、いつの間にか借金を背負ってしまっているということになってしまうかもしれません。相続放棄に関するルールを知り、手順に従った行動を取ることが必要です。

 

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執筆者: やさしい相続編集部