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私たちは現在、満65歳以上の高齢者が総人口の21%を超えた「超高齢社会」の中で生きています。この超高齢化社会を生きる中で、故人の孫などが相続人になることを意味する「代襲相続」という言葉を耳にする機会は、ますます増えていくことでしょう。

 

この代襲相続は、相続放棄が絡んでくるとややこしい問題になってしまうのです。相続の際によく問題となる「相続放棄と代襲相続の関係」について、ご自分が借金を背負ってしまったりしないよう、くわしく学んでおきましょう。

代襲相続とは(具体例と代襲の範囲)

相続放棄の際に問題となる代襲相続とは

代襲相続とは、相続の開始時点で、本来の相続人が既に死亡している等、本来の相続人がいない場合に、その相続人に代わって、その相続人の直系卑属(相続人の子など)が相続人になることをいいます。

 

 

代襲相続の具体例

代襲相続が通常の相続とは違うことを理解して頂くために、親子3世代の例を用いて説明していきます。

 

【親子3世代】

  • Aさん(Cさんのお祖父さん)
  • Bさん(Cさんのお父さん)
  • Cさん

 

〈ケース1〉通常の相続(Bさんが存命の場合)

  • Aさん(Cさんのお祖父さん)
  • Bさん(Cさんのお父さん):存命
  • Cさん

 

このケースで、Aさんが亡くなった場合、その相続人となるのは、Aさんの子であるBさんです。Aさんの孫であるCさんが相続人となることはありません。

 

第八百八十七条
被相続人の子は、相続人となる。

 

 

〈ケース2〉代襲相続(Bさんが既に他界している場合)

  • Aさん(Cさんのお祖父さん)
  • Bさん(Cさんのお父さん):既に他界
  • Cさん

 

このケースで、Aさんが亡くなった場合、本来の相続人であるBさんは既に他界していますから、相続人がいないことになってしまいます。

 

ここで、代襲相続が発生します。つまり、Bさんの子であるCさんが、Aさんの遺産の相続人になるのです。

 

この場合に、新たに相続人になるCさんを代襲相続人と呼ぶことになります。(ちなみに代襲されるBさんは被代襲相続人という名称になります)

第八百八十七条 
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。

 

 

代襲相続が認められる相続人

代襲相続が認められる相続人は、次の2種類の相続人です。

 

  • 被相続人の子
  • 被相続人の兄弟姉妹

 

 

曾孫や夜叉孫が代襲相続することもある

代襲相続により、曾孫や夜叉孫が相続人となることがある

代襲相続により相続人となった被相続人の孫も亡くなっている場合、さらにその子(被相続人の曾孫(ひまご))が相続人になります。さらに曾孫も既に亡くなっている場合には、その曾孫の子である夜叉孫(やしゃご)が相続人になります。

 

夜叉孫が相続人になるような代襲相続は、現実にはなかなかありませんが、直系卑属(被相続人の子孫)で代襲相続が生じる場合には、代襲相続は何度も繰り返され、一番下の子孫が代襲祖族人になるのです。

 

 

甥の子や姪の子が代襲相続することはない

姪や甥の子が代襲相続により相続人となることはない

第三順位の相続人の地位を代襲相続する場合には、代襲は1回しか起こりません。兄弟姉妹の地位を受け継ぐのは(被相続人からみて)甥、姪までです。そのため、甥の子や姪の子には代襲相続が起こりません

 

 

代襲相続が発生する3つのケース

代襲相続が起きるかもしれない3つのケース

代襲相続が起きるのは、本来の相続人が既に他界している場合だけではありません。本来の相続人が存命であっても代襲相続が起きることがあるのです。

 

代襲相続が起きるのは、次の3つの場合です(相続放棄については、後ほど説明します)。

 

【代襲相続が発生する3つのケース】

  1. 本来の相続人が既に死亡している場合
  2. 本来の相続人が欠格になる場合
  3. 本来の相続人が排除される場合

 

 

〈代襲相続が発生するケース1〉本来の相続人が既に死亡している場合

本来の相続人が既に他界している場合には、代襲相続が起きる可能性がある

ここまで紹介した通り、本来の相続人である被相続人の子や兄弟が既に死亡している場合には、代襲相続が発生する可能性があります。

 

 

〈代襲相続が発生するケース2〉本来の相続人が欠格になる場合

相続人の欠格がある場合、代襲相続が起きる可能性がある

本来の相続人が欠格事由に該当する場合、代襲相続が発生する可能性があります。相続人が次の欠格事由のいずれかに該当すると、その相続人は法律上当然に相続人でなくなるため、その相続人の子などに代襲相続が発生する可能性があるのです。

 

【相続人の欠格事由】

  1. 故意に被相続人又は同順位以上の相続人を死亡、または死亡させようとした場合 
  2. 被相続人が殺害されたのを知っていたのにも関わらず、それを告発・告訴しなかった場合 
  3. 詐欺・脅迫によって、被相続人の遺言書を取り消し・変更を妨げた場合 
  4. 詐欺や脅迫によって、被相続人の遺言書を他人に取り消し・変更・妨害させた場合
  5. 被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠蔽した場合

第八百九十一条
次に掲げる者は、相続人となることができない。

 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

 

 

〈代襲相続が発生するケース3〉本来の相続人が排除される場合

相続人の廃除があった場合には代襲相続が発生する可能性がある

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本来の相続人が廃除される場合も、代襲相続が発生する可能性があります。相続人の廃除とは、被相続人を相続人が虐待した等の事実がある場合に、被相続人の意思により、その相続人から相続人としての地位を取り上げてしまう制度です。

 

相続人の廃除がなされると、相続人としての地位がなくなるわけですから、代襲相続が発生する可能性があるのです。なお、相続人の廃除は、遺言書によっても行うことができます。

 

第八百九十二条
遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

第八百九十三条
被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。

 

【参考記事】遺言書のすべて~やさしい相続マニュアル~

 

 

相続放棄した場合、代襲相続どうなる?

相続放棄すると代襲相続は発生しない

相続放棄と代襲相続の関係は、遺産相続でよく問題になります。ここでは、相続放棄と代襲相続の関係について説明していきます。

 

 

そもそも、相続放棄とは何だろう?

代襲相続が発生しない相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人が遺した相続財産の一切を相続しないという、相続の方法の1つです。

 

通常、この相続放棄は、被相続人の相続財産に多額の借金が含まれていて、そのまま相続すると相続人が損をすることが明らかなケースや、一部の相続人に相続財産を集中させたいケースで利用されます。

第九百十五条
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

【関連記事】相続放棄のすべて~やさしい相続マニュアル~

 

 

相続放棄をしたら、代襲相続は発生しない

相続放棄すると、代襲相続は発生しない

本来相続人となるべき人が相続放棄をすると、代襲相続は発生しません。なぜなら、相続放棄をすると最初から相続人でなかったものとみなされるためです。

 

最初から相続人でないということは、相続する権利が元々存在しないので、その権利が直系卑属に移ることはありません。

第九百三十九条
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

 

 

相続放棄をしたら代襲相続が発生しない具体例

【親子3世代】

  • Aさん(Cのお祖父さん)
  • Bさん(Cさんのお父さん):相続放棄を選択
  • Cさん

 

このケースで、Aさんが亡くなった場合を考えてみましょう。本来、Aさんの相続人はBさんになるはずです。

 

しかし、Bさんが相続放棄を選択すると、Bさんは最初からAさんの相続人でなかったものとみなされます。Bさんは、初めから相続する権利をもっていないことになるわけですから、その相続する権利はBさんの子であるCさんには移りません。

 

 

相続放棄すると、遺産を相続する権利はどこへ行く?

相続放棄した相続人の相続権はどこにいく?

相続人が相続放棄を選択すると、代襲相続は発生しません。では、遺産を相続する権利はどこへ行ってしまうのでしょうか?

 

実は、相続放棄すると、遺産を相続する権利は次の順位の相続人に移ります。

 

たとえば、第一順位の相続人である被相続人の子が相続放棄すると、その遺産を相続する権利は次の相続順位の相続人である被相続人の両親や祖父母、兄弟姉妹に移ることになります。

第八百八十九条
次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
 被相続人の兄弟姉妹

 

【関連記事】相続人・相続順位・相続割合のすべて~やさしい相続マニュアル~

 

もしも、被相続人の子が相続放棄を選択した理由が、

 

「被相続人には多額の借金があり、遺産を相続すると損をしてしまうから」

 

ということであれば、次の相続順位にある相続人も、ふつうは相続放棄を選択します。そのため、もしもご自身が相続放棄を選択するのであれば、次の順位の法定相続人にその事実を伝えてあげるのが親切です。なぜなら、相続放棄の手続きには期限があり、その期限を守らなければ、相続放棄できなくなってしまうからです。

 

【関連記事】相続放棄を期限までに行うために知っておきたい5つのポイント

 

 

この記事のまとめ

相続放棄の際の代襲相続の可否についての専門家の意見

いかがでしたか?相続放棄をすると、代襲相続は発生しません。この事実を踏まえて相続にのぞまないと、思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれませんので、ご注意ください。

 

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執筆者: やさしい相続編集部