相続放棄の無料相談窓口、弁護士が対応、2往復無料

 

遺産に多額の借金が含まれる場合などに選択されることが多いのが相続放棄です。ところが、相続放棄をしようと思っても認められないケースが少なくありません。この記事では、相続放棄ができない3つのケースとその対処法について、くわしく解説していきます。

そもそも相続放棄とは?

相続放棄とは?

通常、被相続人が亡くなり相続が始まると、遺産は相続人がすべて引き継ぎます(注:複数の相続人が存在する場合は、いったん共同で相続)。

 

第八百九十六条

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

引用元:電子政府の総合窓口(相続の一般的効力)

 

しかし相続放棄をした相続人は最初から相続人でなかったものとみなされ、遺産を相続することはありません。相続放棄を利用すれば、遺産に多額の借金が含まれる場合でも相続しないで済むのです。

 

つまり、相続放棄とは、法律で認められた「借金を相続しないための手続き」といえるでしょう。

 

第九百三十九条

相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

引用元:電子政府の総合窓口(相続の放棄)

 

相続放棄は100%できるわけではない

相続放棄できない場合もある

「私は相続しません。相続放棄をします」と宣言したとしても、それでは相続放棄をしたことになりません。相続放棄を行うためには、家庭裁判所への申述が必要になります。

第九百三十八条

相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

引用元:電子政府の総合窓口(相続の放棄)

 

ところが家庭裁判所に相続放棄の申述をしたとしても認められない場合があるのです。

 

相続放棄ができない3つの要注意ポイント

相続放棄の申述を行ったとしても、それが認められない可能性があるのは次の3つの場合です。

 

【相続放棄が認められないケース】

  1. 熟慮期間を経過した場合
  2. 遺産を処分した場合
  3. 財産を故意に隠した場合

 

相続放棄が認められないと被相続人の借金をすべて相続人が背負うことになりますから、よく注意しなければなりません。

 

<ケース1>熟慮期間が経過した場合は相続放棄ができない

熟慮期間が期限切れ

相続放棄の手続きは、相続人が自己のために相続が始まったことを知ってから3か月以内に行わなければなりません。この期間を熟慮期間といいます。熟慮、つまり相続するかどうかよく考えるための期間ということです。

 

もし熟慮期間内に手続きを行わなかった場合は、単純承認(遺産を無限に相続すること)したものとみなされ、相続放棄できなくなってしまいます。

 

第九百二十条
相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

第九百二十一条
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。

第九百十五条
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

引用元:電子政府の総合窓口(相続の承認又は放棄をすべき期間、単純承認)

 

相続放棄を行うためには3か月の熟慮期間内に家庭裁判所に対して申述を行えばよいのですが、熟慮期間内に申述を行ったと思っていても「提出書類に不備があり再提出が間に合わなかった」などの場合などには、相続放棄を行えません。「手続きが面倒だから」と放置した結果として熟慮期間を過ぎてしまった場合は言うまでもありません。

 

相続放棄を行うためには絶対にこの期限を守らなくてはなりませんので、ご注意ください。この熟慮期間のくわしい解説は「要注意!相続放棄には期限がある」をご参照ください。

相続放棄の無料相談窓口、弁護士が対応、2往復無料

 

<ケース2>遺産を処分した場合は相続放棄ができない

遺産を処分してしまうと相続放棄できなくなる

相続放棄をするのであれば、遺産を処分してはいけません。処分とは価値のある物を売却したり財産に関係する契約を締結または解除するなどの行為をいいます。

 

もし遺産を売却等した後でも相続放棄できる法律にしてしまうと、不動産などのプラスの遺産だけを自分のものにして、借金などのマイナスの遺産だけを相続放棄するといったことが起きるためです。

 

【要注意】この「遺産の処分」には債務の弁済も含まれますので、もし少額でも弁済してしまうと相続放棄ができなくなってしまいます。亡くなった方の借金の返済などは、もし貸し手側からの催促があっても「債務者は既に亡くなった」と事実だけ回答するに留め、返済には応じないようにしましょう。

 

第九百二十一条
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。

引用元:電子政府の総合窓口(法定単純承認)

 

どこまでが遺産の処分に該当するかの判断は専門的な知識が必要となりますので、くわしくは弁護士等の専門家にご相談ください。

 

<ケース3>財産を故意に隠した場合は相続放棄ができない

遺産を隠すなどの行為で相続放棄できなくなる

相続放棄をする場合に限らず、財産を隠すなどの不正な行為はしてはいけません。もし財産を隠したうえで相続放棄を行ったとしても、単純承認を選択したものとみなされます。

 

これは、相続人が自分に有利なように不動産などのプラスの財産だけを隠し、遺産には借金しかないように見せかけ相続放棄を行うことによって、プラスの財産だけを不正に引き継ぐことを防止するためです。

 

第九百二十一条
次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

引用元:電子政府の総合窓口(法定単純承認)

 

相続放棄ができないケースのまとめ

相続放棄ができなくなる3つのパターンとは?

いかがでしたか?相続放棄をしようと思っていても、少しの知識不足や怠慢から借金をかぶってしまう結末になりかねません。特に相続人がご自身で手続きをされる際にはこうした油断のせいで相続放棄ができなくなってしまうケースが多く見受けられます。

 

万全を期して相続放棄をするのであれば、手続きの最初から最後まで弁護士や行政書士といった専門家に依頼するのがよいでしょう。

 

【相続放棄の関連記事】

遺産を放棄するのはどんなとき?相続放棄の判断と手続きの詳細を解説します。

相続の際に財産を放棄する2つの方法とは?

相続放棄を期限までに行うために知っておきたい5つのポイント

遺産から葬儀費用を支払うと、相続放棄できないって本当?

相続放棄のすべて-やさしい相続マニュアル

相続放棄の手続きがわかる8つのステップ

相続放棄の際に注意すべき6つのポイント

相続放棄をすると代襲相続できない?

相続放棄の手続きの流れと必要書類・費用まとめ

相続放棄を撤回できる6つの条件とその手続きとは?

相続放棄の手続きで受け取るべき書類「相続放棄申述受理証明書」とは?

相続放棄しても生命保険の保険金は受け取れる

相続放棄の期限が過ぎてしまったらどうすればいい?その対処法を徹底解説

◆【決定版】相続放棄でよくある質問8選!

相続放棄の無料相談窓口、弁護士が対応、2往復無料
執筆者: やさしい相続編集部