遺言書はどうやって書けばいい?

「自分にもしものことがあったときのために、遺言を遺しておきたい」

このようにお考えの方は多いはずです。

しかし、遺言書の書き方については、よくご存知ない方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、遺言書を書くときに知っておくべき5つのルールについて解説します。

 

 

よく知らないまま書いた遺言書は無効になってしまう!?

実は、遺言の書き方には厳格なルールがあり、法律でも規定されています。

これを知らずに遺言書を作成すると、ルールを破ってしまい、せっかくの遺言書が無効になってしまうことがあります。そうなると、遺言書を作成した意味がありません。

せっかく書いた遺言書を無駄にしないためにも、遺言書の書き方の知識はしっかりと蓄えておく必要があるといえるでしょう。

 

 

自分で書ける「自筆証書遺言」とは?

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遺言書の方式には一般に、「自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)」、「公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)」、「秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)」の3つの種類があります。

このうち、自筆証書遺言はご自身で作成する遺言書をいいます。

証人や公証人が必要ないことから、もっとも簡単に、かつ、費用をかけずに作成できるというメリットがある遺言書です。

しかし、1人で簡単に作ることができる半面、書き方を誤り、無効になってしまうことがあるという大きなデメリットがあります。

 

そこで、自筆証書遺言を作成する前に、自筆証書遺言の書き方のルールを知っておくことが大切です。

 

 

自筆証書遺言の5つのルール

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では、自筆証書遺言の書き方には、どのようなルールがあるのでしょうか?

自筆証書遺言を作成する際には、次の5つのルールに注意することが必要です。

 

①全文を自書で記載する

②作成した日付はしっかりと特定する

③戸籍上の氏名を記載する

④実印を使うのが安全

⑤間違えたら改めて作成するのが安全

 

 

ルール1 全文を自書で記載する

自筆証書遺言は、全文がご本人の「自書」でなければなりません。

この「自書」とは、自らの手で書く、という意味です。

例えば、パソコンやワープロで作成した場合、それは「自書」ではありません。この場合、ルール違反となってしまいます。

その他、達筆な知人に代筆を頼む、というのもルール違反です。

現代では、パソコンやワープロで文章を書くというのが一般的になってきており、ご自身の手で文章を書く頻度は減ってきています。

しかし、遺言書の形式は必ず守らなければなりませんので、必ず自筆するようにしましょう。

 

また、「全文」の自書とは、文字どおり、「すべての文を自書する」という意味です。

例えば、本文を自らの手で書いたとしても、末尾の財産目録をワープロで作成した場合、これはルール違反です。

この場合、そのワープロで作成した部分だけでなく、遺言書全体が無効となってしまうためご注意ください。

 

 

ルール2 作成した日付はしっかりと特定する

自筆証書遺言には、日付も自書することが必要です。

そして「日付」は、作成日を特定できるように書かなければなりません。

例えば、「平成28年10月吉日」のように「吉日」と記載した場合、作成日を特定することができません。

したがって、これもルール違反となり、遺言書は無効となってしまいます。

 

 

ルール3 戸籍上の氏名を記載するのが安全

自筆証書遺言には、氏名を自書することが必要です。

氏名も、全文、日付と同様に、「自書」が必要です。

 

ここでご注意いただきたいのは「2人以上の氏名を書いてはいけない」という点です(共同遺言の禁止)。

例えば、自分の氏名に加えて、旦那様や奥様の氏名を書いてしまった場合、ルール違反となり、遺言が無効になってしまうのでご注意ください。

 

また、「氏名」についてはペンネーム等でも認められる可能性はあります。

しかし、トラブルを未然に防止するためも、戸籍上の氏名を用いるのが安全でしょう。

 

 

ルール4 実印を使うのが安全

自筆証書遺言には、印を押すこと、つまり押印が必要です。

「印」とは、法律上は、実印に限られず、認印も含まれます。

しかし、トラブルを未然に防止するためには、実印を用いるのが安全でしょう。

 

 

ルール5 間違えたら改めて作成するのが安全

いくら念入りに下書きをして清書しても、間違えてしまうことはあります。

また、いったん作成した後に「あの部分の内容を変更したい」と思うこともあるでしょう。

 

このような場合、遺言書に変更を加えるためには「その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押す」ことが必要です。

これ以外の方法による自筆証書遺言の変更は、ルール違反となり、遺言書は無効となります。

 

このように、自筆証書遺言の内容の変更には、面倒な方式が定められています。

これを思いがけず破ってしまうと、遺言書全体が無効になってしまいます。

そのため、遺言書に変更・修正を加えたい場合には、改めて書きなおすのが安全でしょう。

 

 

専門家は公正証書遺言をオススメする

ここまでご自身で作成する自筆証書遺言を解説してきました。

しかし、ほとんどの相続の専門家は自筆証書遺言ではなく、「公正証書遺言」をオススメするでしょう。

なぜなら、公正証書遺言は、形式的な不備で遺言書が無効になってしまうことはまず考えられないためです。それほどまでに、形式的な不備で無効になってしまう自筆証書遺言が多いのです。

 

また、公正証書遺言を作成する際には、前もって税理士などの専門家に内容を相談しておくのがよいでしょう。そうすることで、遺言書を使ってできることの幅も広がり、相続トラブルをより効果的に防止することができます。

 

 

 

この記事のまとめ

いかがでしたか?

単に「遺言を書く」といっても、厳格なルールがあることがおわかりいただけたでしょうか?

そして遺言書の作成をご検討されているならば、専門家がオススメする公正証書遺言もご検討されるのがよいでしょう。

自分にもしものことがあった場合でも、残された家族が幸せに暮らせるよう、有効な遺言書を作成して備えておきましょう。

 

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