政府の「まち・ひと・しごと創生会議」は、5月29日にまとめた基本方針案で、空き店舗への固定資産税の実質的な増税を検討することを決めた。現在の税制では住宅地用の土地の固定資産税は、最大で本来の税額の6分の1に減額されている。店舗が住宅を兼ねている場合にもこの減免措置が適用される。2階建ての住宅の1階を店舗として利用し、2階部分を家族の生活に利用しているようなケースが当てはまる。

 

 

今回明らかになった方針では、空き店舗となっていて有効活用していない場合には、こうした不動産を自治体の判断によって固定資産税の減免対象から外せるようになる。つまり実質的に、最大で6倍の増税となる見込みだ。

 

 

 シャッター商店街が生まれるカラクリ

地方都市の商店街などでは、「シャッター通り」という表現が生まれるほど空き店舗が増加している。しかし、店舗を借りてビジネスをしたいという人がいても、住宅として利用していれば税負担が大きくないため、所有者が積極的に店舗を貸し出そうとせず、経済の活性化を妨げているという問題があった。新たに検討する方針では、空き店舗の所有者の税負担を大きくすることで、店舗としての利用を促す狙いだ。

 

 

相続に与える影響も

相続という観点から考えると、今後の税制改正の内容を踏まえて、不動産の管理方法をよく考える必要がある。不動産を相続すると当然、固定資産税の支払い義務も引き継ぐことになる。相続する不動産の中に空き店舗が含まれていると、思わぬ負担増となってしまう可能性があるのだ。

 

 

たとえば、親(被相続人)が以前に自宅で店を開いていて、廃業後もその建物に住み続けているというケースでは、これが空き店舗と判断されれば、固定資産税が最大で6倍増額されることになる。この空き店舗を相続すると、想定していたよりも重い税負担が生じてしまう。予定外の税負担を負わないためには、相続前に不動産を売却したり、店舗を利用したい人を探して貸し出したりといった対応が必要になる。

 

どのような場合に税負担が増えるのか、具体的な基準はこれから政府内で検討される予定だ。制度改正の方向を注視しながら、早めに対応策を考えておくことが重要になるだろう。

 

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執筆者: やさしい相続編集部