7月20日、「シュルレアリスムの巨匠」と呼ばれるスペインの画家サルバドール・ダリ(1904~1989)の遺体がDNA鑑定のために掘り起こされた。ダリの娘として名乗り出た女性との親子関係をDNA鑑定によって確認し、親子と認められれば、現在「ガラ・サルバドール・ダリ財団」が管理する遺産の一部を女性が相続することになる。

 

ダリには子供はいなかったとされているが、このほど、ダリの娘を名乗る女性が親子関係の確認を求めて裁判所に訴えを起こした。女性の主張によると、ダリは妻ガラと結婚した後、自分の家で働くメイドと関係を持ち、子供が生まれたが秘密にしつづけていたという。

 

ダリの遺体は防腐処理を施して埋葬されており、鑑定のために皮膚や爪、骨からDNAサンプルが採取された。鑑定には数週間かかる予定。

 

日本では難しい「遺体を使ったDNA鑑定」

今回の事例ではスペインの法律にしたがって遺体の掘り起こしが行われたが、日本でも同様のケースは起こり得るのだろうか。日本でも、認知されていない子が親の死後に裁判所に訴えを起こして親子関係を認めてもらう「死後認知」の手続きがある。死後認知が認められれば、故人の子として相続の権利を得ることができる。

 

親子関係の確認のためにDNA鑑定を行うが、日本では火葬が一般的なため、故人の血縁者のDNAを用いることが多い。「お墓を掘り起こしてまで鑑定する」というのは、土葬を前提とした判断であり、日本では考えにくいだろう。また、日本では死後認知の訴えは死後3年以内に起こさなければならないと定められておりタイミングには注意が必要だ。ダリの事例のように、死後30年近く経ってから鑑定を行うのは日本の法律上困難といえる。

執筆者: やさしい相続編集部