「震災で親を亡くした孤児の支援のために使ってほしい」という遺言により、東日本大震災で大きな被害にあった岩手、宮城、福島の3県に匿名の寄付があった。寄付された遺産は約4000万円の預貯金と約1700万円相当の土地、合わせて約5700万円。3県によるとこれまでも遺産が寄付されることはあったが、土地が寄付されるのは初めてという。

 
寄付された土地は大阪市にあり、今後競争入札を行い、売却代金を3県で分ける予定。預貯金と土地の売却代金は3県で均等に分け、それぞれの県で孤児や遺児のための基金に充当される。

 

遺産の寄付活用に2つの手段

今回の事例のように、遺産は個人へ相続するだけでなく自治体や国、慈善団体などに寄付することもできる。寄付する方法には、遺言書に寄付先を書く「遺贈」と、生前に寄付先と契約しておき、亡くなった後に寄付が実行される「死因贈与」がある。

 

自分の遺産を寄付したいと考えているならば、死因贈与を行うのがおすすめだ。遺贈の場合は寄付先と事前の調整がないため、遺産の内容が寄付先のニーズに合わなければ受け取りを断られる可能性がある。寄付したい相手に前もって連絡し死因贈与の手続きを済ませておけば安心だ。

 

また、遺贈は遺言書を公開したときにはじめて内容が明らかになるため、遺産を相続するつもりだった相続人は不満を感じ、もめごとに発展するリスクがある。元気なうちに自分の意志を周囲の人たちに伝え、理解を得ておくことも重要だ。

 

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執筆者: やさしい相続編集部