4月6日、最高裁判所は、遺産相続をめぐって争いが起きている間は、故人の預金を引き出すことができないという判断を示した。この裁判では、女性が約3300万円の定期預金を残して亡くなり、女性の息子が、法定相続分にあたる約1600万円の払い戻しを求めて訴えを起こした。しかし、最高裁判所の判決では、定期預金も遺産分割の対象であり、ほかの相続人の合意がないまま引き出すことはできないと判断された。

 

遺言書が遺されていない場合の相続では、一般的に親族間で話し合って遺産の取り分を決める「遺産分割協議」を行うことになる。ただし、遺産分割の話し合いをせず、法律で決められている相続割合にしたがって相続を行うこともできる。この相続割合のことを法定相続分といい、故人の配偶者(夫または妻)と子1人が存命の場合、配偶者と子がそれぞれ遺産の2分の1を受け取る。

 

それでは、遺産分割の話し合いをしている最中に、「法律で定められているから」といって、故人の預金を引き出すことはできるのだろうか。実は、これまで預金は遺産分割の対象外とされており、ほかの相続者の同意がなくても法定相続分を引き出すことができた。しかし、2016年12月の最高裁判所の判決でこの判断が変更され、預金も遺産分割の対象であるという判断が示された。今回の判決は、2016年12月の判決に沿った内容といえる。

執筆者: やさしい相続編集部