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法務省は5月4日、配偶者に住宅を贈与した場合に相続で優遇する新制度の検討を始めた。新制度は結婚から20年以上の夫婦を対象としている。生前贈与や遺言によって住居を配偶者に贈与すると、相続人どうしで遺産を分ける際に住居は遺産に含まれなくなる。住居を差し引いた残りの遺産を分けることになるため、配偶者の相続分が実質的に増えることになる。

 

いわゆる独居老人の予備軍にやさしい法改正に

このような制度改正が検討されている背景には、少子高齢化にともない、ひとり暮らしの高齢者が増加していることがある。住居以外にめぼしい遺産がない場合、遺産分割のために住居を売却・現金化する必要に迫られ、残された配偶者が住む場所を失うおそれがある。長年連れ添った配偶者に対して、住居に関する権利を優先的に認めることで、ひとり暮らしになった後の生活を安定させる狙いだ。

 

検討中の新制度は、相続について定めた民法を改正する形で導入される予定。法務省が今年2月、法務大臣の諮問機関である法制審議会に案を示した。すでに法制審議会の相続部会で多数の賛同を得ており、今後は法務省で検討を進め、来年の通常国会での法案提出を目指す。

 

想定される例

たとえば故人の遺産が住居(評価額2000万円)と預金1500万円で、相続人が妻と息子の2人、法改正後のパターンのみ遺言に「住居は妻に与える」と書かれていたというケースを考えてみよう。

 

現行の制度では、配偶者と子は遺産の2分の1ずつを受け取ることができる(法定相続分)。このケースでは住宅と預金を合わせて3500万円分の遺産を、1750万円ずつ受け取る。したがって住居(2000万円相当)を妻が相続するケースの場合、息子は1500万円の預金を受け取った上で、妻は息子に250万円支払わなければならないことになる。この場合、妻に支払余力がない場合は住居を売却したり借り入れするなどの資金手当が必要だ。(下図参照)

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新制度が始まると、妻が受け取った住居は遺産分割の際には計算に入らなくなる。つまり、妻が住居を受け取った後、預金を妻と息子が750万円ずつ受け取ることになる。

配偶者優遇の相続税改正

相続税の観点からは「配偶者の税額軽減の特例」や「夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除」「小規模宅地等の特例」などが利用されてきたが、将来の相続には遺言書の活用など、今回の法改正の動きを視野に入れた検討が必要になってきそうだ。

 

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執筆者: やさしい相続編集部