フランス南部のエクサンプロヴァンスで、1000年の歴史をもつシャトー(館)が売りに出されている。現在の所有者は74歳の男性で、相続によって所有権を得たが、高齢になり維持・管理の負担が大きいシャトーを手放すことを決断した。売り出し価格は1500万ユーロ(約19億4000万円)。

 

このシャトーは記録が残っている範囲では、遅くとも1064年に建設された。修道会や王族・貴族の間を転々とした後、1960年代に現在の所有者ベルトラン・ピリビィ氏の義父の手に渡った。そして、2006年に相続によってピリビィ氏が所有権を受け継いだという。ピリビィ氏はシャトーを観光客に開放し、現在では人気の観光スポットとなっている。利益もきちんと得られているというが、ピリビィ氏は74歳、妻も70歳となり、「一息つく」ために売却を決めたと語っている。

 

不動産の相続には負担やマイナス面の注意が必要

遺産を現金ではなく、不動産や美術品などの「もの」で相続した場合、相続人はその財産を管理する責任も引き継ぐことになる。日本国内では少子化や都市への人口集中を背景として、相続した住居が空き家になってしまうケースが増えている。住居として使用していない建物でも所有しているだけで固定資産税がかかるうえに、空き家は放置していると劣化が進みやすい。こうした不動産が犯罪の温床になったり倒壊の危険を生み、行政や近隣住民とのトラブルにつながることもある。劣化した空き家を行政の判断で解体し(空き家対策特別措置法)、高額な解体費用は持ち主に請求するというパターンは相続する側には大きなリスクだ。

 

管理が難しい財産を相続することになったら、早急な売却や寄附も含めて、周囲に迷惑をかけない処分を検討することが必要だ。(※編集部注: 不要な不動産だからといって行政は基本的に寄附を受け付けないのでご注意を。相続放棄をしない限り、不動産と固定資産税は末代まで子孫を追いかけていきます。)

執筆者: やさしい相続編集部